表面エネルギー・ダイン値計算ツール
インク・コーティング・接着剤がプラスチックをぬらすかどうかを確認し、接触角の測定値を表面エネルギーに換算し、一般的なプラスチックの代表的なダイン値を参照できます。
ぬれ性チェック:基材とインク・コーティング・接着剤
液体が表面をぬらすのは、表面エネルギーが液体の表面張力より高い場合に限られます。実用上の目安として、プラスチックの表面エネルギーがインク・コーティング・接着剤の表面張力より8-10 dyn/cm程度高いときに十分な密着性が得られます。お使いのプラスチックを選ぶか測定したダイン値を入力し、その上に塗布するものを選択してください。
結果 · dyn/cm
表面エネルギーが液体の表面張力を8 dyn/cm以上上回っています。これは通常、十分な密着性が得られる8-10 dyn/cmの余裕に相当します。実際に使用するインク・コーティング・接着剤で試験を行い確認してください。ぬれは必要条件であって、十分条件ではありません。
液体は広がる可能性がありますが、余裕が8-10 dyn/cm未満の場合は、はじき、ピンホール、密着力の低下やばらつきが予想されます。前処理で表面エネルギーを高めてください。
液体の表面張力がプラスチックの表面エネルギーより高いため、広がらずに玉状にはじかれます。乾燥時間、圧力、配合変更のいずれでもこの関係は変わりません。まず前処理を行ってください。
この液体に対する目標表面エネルギー:42 dyn/cm以上(印刷・コーティング・接着を行う時点での測定値)。
この結果をScottに確認してもらいますか?
メールアドレスと、よろしければ部品について一言ご記入ください。上記の数値はメッセージと一緒に送信されます。
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接触角から表面エネルギーを算出(Owens–Wendt)
ダイン液でわかるのは合否です。接触角からは、表面エネルギーの大きさと、そのうち前処理によって付与される極性成分の割合がわかります。一般的な組み合わせは水とジヨードメタンで、水が極性成分の寄与を与え、ジヨードメタンはほぼ非極性です。この計算ツールはOwens-Wendt-Rabel-Kaelble(OWRK)モデルを使用しています。結果にはモデル名も記録してください。
結果 · mN/m
極性:全体の2%が極性成分です。
未処理のポリオレフィンはほぼ完全に分散成分のみで構成され、極性成分はほぼゼロです。プラズマ処理・火炎処理・コロナ処理は表面に極性基を付与し、これによって極性成分が増加します。
この計算ツールで使用している式と液体データ
この式を液体ごとに1つずつ立てると、未知数2つに対して2つの式が得られます。未知数は固体の表面エネルギーの分散成分(γSᵈ)と極性成分(γSᵖ)で、その和が合計値です。液体の値(mN/m):
| 液体 | 合計 | 分散 | 極性 |
|---|---|---|---|
| 水 | 72.8 | 21.8 | 51 |
| ジヨードメタン(ヨウ化メチレン) | 50.8 | 50.8 | 0 |
| ホルムアミド | 58 | 39 | 19 |
| エチレングリコール | 48 | 29 | 19 |
| グリセリン | 63.4 | 37 | 26.4 |
| 1-ブロモナフタレン | 44.4 | 44.4 | 0 |
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一般的なプラスチックの表面エネルギー
未処理プラスチックの代表的な表面エネルギー、一般的に用いられる前処理、および酸素プラズマまたは空気プラズマ処理の効果が通常どの程度持続するかを示します。グレード、充填材、添加剤、離型剤、保管条件によってこれらの数値は変わります。仕様値としてではなく、試験計画の出発点としてご利用ください。
| プラスチック | 未処理時の表面エネルギー dyn/cm = mN/m | 未処理で印刷・接着可能? | 一般的な前処理 | 処理効果の持続期間 空気 / O₂ プラズマ処理後 |
|---|---|---|---|---|
| PTFE・フッ素樹脂 | 18-20 | 不可 | Pyrosil®または低温ガスプラズマ | 数分~数時間 |
| シリコーン | 約24 | 不可 | Pyrosil® | 数分~数時間 |
| ポリプロピレン(PP、OPP、BOPP) | 29-31 | 不可 | 火炎処理(成形品)、コロナ処理(フィルム)、大気圧プラズマ | 数時間~数日 |
| TPO・オレフィン系TPE | 29-31 | 不可 | 大気圧プラズマまたは火炎プラズマ | 速い(数時間以内に接着) |
| ポリエチレン(LDPE、HDPE) | 30-31 | 不可 | 火炎処理(成形品)、コロナ処理(フィルム)、大気圧プラズマ | 数時間~数日 |
| PBT | 約32 | 要前処理 | 大気圧プラズマまたは低温ガスプラズマ | 数日~数週間 |
| PVC(可塑化・軟質) | 33-38 | 条件次第 | プラズマ処理後、速やかに接着または印刷 | 速い |
| ポリスチレン(PS) | 33-38 | 一部のインクは可 | 火炎処理またはプラズマ処理 | — |
| アセタール(POM) | 36未満 | 不可 | 低温ガスプラズマ | — |
| ABS | 35-42 | 多くの場合可 | 洗浄。安定性を求める場合は火炎処理または電気式プラズマ | 1週間~数週間 |
| アクリル(PMMA) | 38-41 † | 多くの場合可 | 洗浄。電気式プラズマ(火炎処理は光学面を曇らせるおそれあり) | 1週間~数週間 |
| PPS | 約38 | 不可 | 大気圧プラズマまたは低温ガスプラズマ。処理から接着までの時間が長い場合はPyrosil® | 数日~数週間 |
| 硬質PVC | 約39 | 多くの場合可 | 洗浄。要求の厳しい用途にはプラズマ処理 | — |
| ナイロン(PA 6、PA 66) | 40-46 | 多くの場合可(乾燥した部品) | コロナ処理、空気プラズマまたは大気圧プラズマ、火炎処理、低温ガスプラズマ | 数日~約2週間 |
| ポリイミド | 約40 | 一部の系は可 | プラズマ処理 | — |
| PEEK | 40-44 † | 条件次第 | 低温ガスプラズマまたはPyrosil® | 数日~数週間 |
| ポリエステル(PET) | 41-44 | 一部の系は可 | コロナ処理(フィルム)、プラズマ処理 | 1週間~数週間 |
| ポリスルホン(PSU) | 約41 | 多くの場合可 | 洗浄、プラズマ処理 | — |
| ポリカーボネート(PC) | 42-46 | 多くの場合可 | 洗浄。電気式プラズマ(火炎処理は光学面を曇らせるおそれあり) | 1週間~数週間 |
| 変性PPO | 約47 | 多くの場合可 | 洗浄、プラズマ処理 | — |
表面エネルギーの測定方法
ダイン液とダインペン(ASTM D2578)
まず高いダイン値(60)から始め、表面に液を引きます。2秒以内に液が液滴に分かれなければ、表面エネルギーは少なくともその値以上です。それより早く玉状になる場合は、液膜が保持されるまで1段階低い値で繰り返します。同じ箇所で再試験しないこと、温度と湿度を記録すること、1点ではなく部品全体にわたって測定すること、そして前処理直後と使用時点の両方で試験することを徹底してください。ダイン液の保存期間は6-12か月です。ペンは乾燥して値がずれていきます。試験液には2-エトキシエタノールとホルムアミドが含まれるため、取り扱いには注意が必要です。妊娠中の作業者は試験を行わないでください。
接触角
接触角計(ゴニオメーター)は、液滴が表面となす角度を測定します。数値の根拠を示す必要がある場合に用いるべき方法です。数マイクロリットルの一定の液滴量を用い、素早く測定し、複数回測定してください。水だけでも処理状態を手早く確認できます。
| 水の接触角 | 表面 | 代表例 |
|---|---|---|
| 30°未満 | ぬれ良好、親水性 | 十分に処理された表面 |
| 30-60° | 中程度のぬれ | 処理済みのポリオレフィン、または未処理の極性ポリマー |
| 60-90° | ぬれ不良 | 未処理のエンジニアリング熱可塑性樹脂(接着には余裕不足) |
| 90-120° | ぬれない、疎水性 | 未処理のポリオレフィン |
| 120°超 | 強い疎水性 | フッ素樹脂、シリコーン、またはシリコーンで汚染された表面 |
測定値が良好でも、それですべてがわかるわけではありません
前処理は、汚染物も含めて表面にあるものすべてを活性化します。そしてダイン液は、活性化された汚染物の上でも問題なく良好な値を示します。ダイン値が良好なのに接着不良が起こる場合は、処理レベルを上げる前に汚染を疑ってください。その手順は密着不良診断ツールで確認できます。
処理効果は低下します。使用時点で測定してください
プラズマ処理・火炎処理・コロナ処理の効果は永続的ではありません。ポリマー鎖が再配向し、添加剤が表面に移行するためです。ポリオレフィンでは低下の大半が最初の24時間に起こり、高温での保管はこれを加速します。上の表に代表的な使用可能期間を示しています。自社の基準を定めるには、処理済み部品を実際の保管条件下で0、1、4、24時間後と3、7、14、28日後に測定し、処理から接着までの最大時間を工程仕様に明記してください。詳しくはプラズマ処理の効果の持続期間をご覧ください。
よくあるご質問
プラスチックの印刷や接着に必要なダイン値は?
一般に、プラスチックの表面エネルギーがインク・コーティング・接着剤の表面張力より8-10 dyn/cm程度高いときに、十分な密着性が得られます。ポリオレフィン上のほとんどのインクや接着剤では38-44 dyn/cmが目安です。UVインクジェットインクでは通常42以上が求められ、PETフィルムは46-52まで処理されます。構造用接着ではさらに高い値が必要になる場合があります(ナイロンで50-54 dyn/cm、PPSとエポキシの組み合わせで少なくとも48-54)。実際に使用する材料で試験を行い、数値を確認してください。
dyn/cmとmN/mは同じですか?
はい。1 dyn/cmは1 mN/mに等しくなります。ダイン値(dyn/cm)は印刷・加工分野で伝統的に使われている単位で、mN/mは接触角測定で用いられるSI単位です。
ポリプロピレンの表面エネルギーは?
未処理のポリプロピレンは約29-31 dyn/cm(mN/m)で、ほぼ完全に分散成分です。これはほぼすべてのインクや接着剤の表面張力を下回るため、PPは印刷や接着の前に火炎処理、コロナ処理、またはプラズマ処理が施されます。
ダインペンは接触角測定と同じくらい正確ですか?
いいえ。ダイン液やダインペンは迅速な生産現場向けのチェック方法ですが、液膜が2秒間保持されるかどうかを主観的に判定するものであり、ペンは経時劣化します。接触角測定(ゴニオメトリー)なら根拠として示せる数値が得られ、2種類の液体を用いれば表面エネルギーの極性成分と分散成分を分離できます。
プラズマ処理やコロナ処理の効果はどのくらい持続しますか?
ポリマーの種類、添加剤、保管条件によって、数分から数週間まで幅があります。酸素プラズマまたは空気プラズマ処理後の代表的な使用可能期間は、シリコーンとフッ素樹脂で数分~数時間、PPとPEで数時間~数日、ナイロンで数日~約2週間、ABS、PC、PET、PMMAで1週間~数週間です。高温での保管やスリップ添加剤はこの期間を短くします。Pyrosil®処理は通常、数週間~数か月にわたって効果が持続します。
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Scott Sabreenは30年以上にわたり、プラスチックの密着不良の問題を解決してきました。部品、材料、工程についてお知らせいただければ、どこを調べるべきかをお伝えします。
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